忍者ブログ
男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
* admin *
[64]  [65]  [66]  [67]  [68]  [69]  [70]  [71]  [72
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

富樫の顔が段々大きくなって近づいて、とうとう視界に入りきらなくなった。

唇に唇がぺたりとくっつく。
俺がよほど間抜けな顔をしていたのか、ヘッヘへとどうにも嬉しそうな顔をしている。
「どうじゃい桃、俺だってこんぐれえやれんだぜ?」

俺は笑って、もっとすごいのをした。
PR
ダンディズムのかけらもないそれに、伊達のそれが寄った。
伊達のそれはまさに伊達である。
虎丸のそれは野暮というか雑木林というか。

「誰かガムテープもってねえか」

引っこ抜く、と伊達は虎丸の眉を指差して宣言した。

「お前は俺が死んだら泣くか?」



そんな優しい顔で、酷い事を桃は聞いた。



富樫は絶対に首を横に振る。その焦げつくような強がりと男気を桃は望む。



時折そんな、心をかきむしるような言葉を富樫にぶつけてみる。

ぶつけたのは桃自身に対してかもしれない。

富樫は少し考えてから、学帽のツバで目を隠しながら答えた。

「ああ……泣くぜ。きっと泣く」



桃は富樫を抱き締める。

無性に声を上げて泣きたい気分だと、鼻にかかる声をもらした。
桃のまぶたにかげりがちらついたのを富樫は見逃した。
桃の頬にかすかな震えがあったのを富樫は見逃した。
桃の唇がほんのわずか歪んだのを富樫は見逃した。
全てを富樫は見逃した。

「お前はもっと、お前の周りを考えるといい」
―どれだけお前の周りが、お前を思っているかを。
思えば声も寂びていた。
富樫はそれすら聞き逃す。

桃がなんだってそんなことを言い出したのか富樫はさっぱりわからない。
桃も桃で、富樫が全てを理解するとは思っていない。

思っていないからといって諦めるわけでもなかった。
うるうると艶を持つ桜色の髪の毛、ひとふさつまみ上げたそれで持って富樫の首筋をくすぐる。
「うぉ、驚いたぜ」

首を手で押さえながらそんなことを言う間抜け。男は常に胸のうちに何か含みを持たせるのが良いとばかり、飛燕は思っていたので面食らう。
BACK NEXT
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新CM
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
1010
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
忍者ブログ // [PR]

template ゆきぱんだ  //  Copyright: 男塾練習ノート All Rights Reserved