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邪鬼様母ネタなので続きへ

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母の部屋の扉を開くと、なにかほんのり甘い香りがした。
母もあかるく頬を上気させているのに邪鬼が気付く。
「邪鬼さん、こちらへきてくださる?」
その声も弾んでいた。
言われるまま母のベッドの傍らへ邪鬼が立つと、先ほどまで見せていたかすかな華やぎがふいと消えて、
「わたくし、困ってしまって…これなのです」

膝にのせていた白い紙箱を開くと、中にはぎっしりとどら焼きが入っていた。
甘い香りの源はこれだったかと邪鬼が思っていると、

「わたくし、甘いものをたくさん食べられないのです。残すわけにも行きませぬし、邪鬼さん手伝ってくださらないかしら」

「しかし」
大豪院のおのこがどら焼きのように軟弱なものを、いいかけた邪鬼の手を母は細い指で触れる。ひんやりとした指に、邪鬼は言葉が萎んでゆく。
「わたくしを助けると思って。……ね?」


まだあたたかい、厚手のしっとり香ばしい香りを放つ皮にかぶりつくと、中の餡子はさらさらと舌にほどける。
食べでのあるむちむちした皮へ邪鬼は夢中でかぶりついた。
一つ、
二つ、

このように、軟弱な…

しかし、うむ、うまい
いや、これも母上を助けるため…

たちまちに五つ邪鬼は平らげた。母は一つを長い時間をかけながら、嬉しそうに目を細めて邪鬼を見守っている。

「邪鬼さん、ありがとう」
母に見送られ、誇らしい気持でいた邪鬼だったが、父に口の周りの食べかすを咎められて、全てを白状するなり思いきり投げ飛ばされる事になる。母も酷く叱られたらしかった。




「……思うにあのどら焼き、父が贈ったものだったのだな」

今にして思えば、なるほど色々合点がいくのだった。
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