桃は唐突に伊達へ言った、
「なぁ伊達あれは…幸福な王子だったか?それとも幸福の王子だったか?」
「いきなりなんだ、オスカー・ワイルドか」
「そうだ」
「どっちだったか…なんでそんなことを聞く」
「最後目も見えず焼かれてしまったろう、単なる幸福の象徴じゃなく、幸福【な】王子なら良かったと思ったのさ」
「そんなこと考えてやがったのか」
「おかしいか?」
「まぁな」
「お前の幸せをいつも考えているぜ、伊達」
一瞬伊達は言葉を死なせてしまった。
「伊達、お前はまったく、燕のようだよ」
「あ?燕なら飛燕だろうが」
「フッフフ」
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