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財布の底から折りたたんだ千円札が出てきた。
思わぬ収穫に雷電は喜んだが、さて何に使おうか。

「本でも買ったらどうだ」
伊達はそう言ったが、何しろ雷電の趣味の本ときたら高価だ。
民明書房の本はネタモノ扱いのため安いが、取り扱いがまず無い。
しかし伊達がすすめてくれたのだから何か本を買おうと雷電は決めている。

「古本屋に行ってみろ。……大衆的な」

そうして雷電は生まれて初めてブックオフに足を踏み入れたのであった。


千円札で買い揃えたのは、何気なく目に留まった手塚治虫のブッダ全巻。
「おお…これは…なんと……!!!」

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赤石先輩ヨメネタです
今週のSJがチラッと見え隠れ
虎丸が伊達へ差し出したのは甘酒の缶だった。
伊達は首を横へ振る。あまったるいのは嫌いなのだ。
「あったまるぜ」
「……」
虎丸がちびりと飲んで、あったかそうな白い息を吐いているのを見て伊達は受け取る。
「……明日がもっといい日だって。な、伊達」
風の音が強まるのを、伊達は耳を澄まして聞いている。

かた膝を立てて、そこへ肘をついて、動かないでいる。

ただ、耳を澄ましているだけ。

びょう、ぼぉ、
びょうぼう、

ごう、

強い風に伊達は昔の昔、憧れていた。
軽い自分の身をさらって連れ出してくれるのじゃないかと思っていたからだ。
今は送っている。
誰かの御霊をつれていくのをただ見守るだけ。

びょうぼう、
びょうぼう、
ごう、

殯の風がふく。
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