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男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
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邪鬼の目の前を群青紫の蝶蝶が走り抜けていった。

重たげに羽を軽く震わせ雄雄と、空気を捉えては滑空していく姿に目を奪われる。
思わず手を伸ばした、と同時に鋭い声がかかる。

「邪鬼様、毒蝶です」
影より滑り出て、影慶が背後から密やかにたしなめた。振り返って邪鬼は目を細める。

「燕殺しを食べるせいで、隅隅まで毒が」
「美しいな」
「………はあ」

大した感慨も無さそうに影慶が答える、次の瞬間彼の身体はたくましい腕にすっぽりと抱かれていた。
「じゃ、」
「毒があるものはすべからく美しい、」


貴様のように。
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飛燕の針は富樫の首筋深くへ沈んでいく。
首筋、急所である。
だのに富樫はうつ伏せたまま身動ぎしない、リラックスした風を乱さない。

それが見せかけでないことは、針を刺す飛燕の指が何より知っている。
「なぁこのまんま、寝てもいいか」
大きなあくびと共に、富樫はこんなことを言い出す。
「良いけど、私がこれ幸いと針を突き刺すかもしれないぞ」
「ふぁ、そうかよ」



富樫は寝息をたて始め、飛燕は息を詰まらせた。
不意に湧いた泣き出したいような気持ち。
それが一種の欲情であること、飛燕はわかっている。

見覚えのある学帽を被った子供がいつの間にか入り込んでいて、桃の枕元に据わっている。
桃がうっすらと眼を開くと、その子供は歯を見せて笑った。

「おう、桃、もうほぼ全員渡ったぜ」
その懐かしい声、口調に桃の頬に笑いじわが刻まれる。
開いた視界は既にけぶり、視力も半ば失われつつあったが、確かにその子供が自分のよく知る懐かしい男のものだとわかった。子供の目をまたぐ傷、その懐かしさに桃の胸が疼いた。
「…そうか、俺も、そろそろ行くかな」
「そうしろよ、お前は立派にシンガリ勤めたぜ」
「……そう、かな」
桃の声も掠れている。聞き取りづらいだろうに、子供は深く頷いた。
「おうよ、また迎えに来らぁ」

じゃあな、言うなり懐かしい気配は消えて、気づけば彼の学帽を被った彼の孫が、桃を心配そうに見下ろしていた。傍らには息子の獅子丸の姿もある。

「ももさん、だいじょうぶ?」
「ああ、なんてことはない」
彼の孫が安心して帰ったのを見届けてから、桃は獅子丸へ告げた。


「そろそろ死ぬぞ」

「夜中な、ギューッと首を絞められてる気がしてならねぇんじゃ」




富樫、それは飛燕の髪の毛だろう。
恐らく無断で忍び込み、目覚めの前に出ていった元部下を慮り、伊達は何も言わなかった。
「添い寝の出来ない季節だな」
「とか言いながら潜り込むんじゃねぇ!桃!」
「フッフフ伊達、堅い事を言うなよ」
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