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桃が一度、激情に流されるように富樫を組伏せた事があった。
一度きりである。
たったの一度。

しかしその激情の最中にも富樫を常に案じ、欠片ほども富樫に罪悪感など抱かせぬように殊更悪辣に振る舞った。



「桃、おめぇは…馬鹿だ」

富樫がそう言うと、


「言うな」

と珍しい困惑に笑み曇り、せわしく富樫の唇を塞ぐ。
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桃は人差し指をそっと伸ばして、その小鳥がとまるのを待っている。
無粋に掴んで、籠に押し込めようなどとはもとよりおもっていない。
ただ、自分の指でその疲れた小鳥が羽を休めてくれたらいいと思っているのであった。

伊達という小鳥が、己の矜持にかけて人の差し出す指をどれだけ拒むかを、知っていながらである。
伊達の尖った目の輝きに、虎丸は無性に泣きたい気分にかられる。
泣き出す前、しかし泣き出す寸前。
伊達は笑った。

「俺を殺さないもの全てが、俺を強くするんだ」


虎丸は伊達へ手を伸ばした。
指の隙間から去っていく男だ。
欲しくないときには目の中口の中爪の間、好き勝手入り込んでくるくせに。
こっちが目を擦って、吐き出そうとしたり、どうしたって取り除けないのに。

そのくせこっちが引き止めようとすれば、指の隙間ッからすり抜けて、さよならをする男なのだ。

伊達は爪の隙間にたった一つぶ残った砂粒をいとおしむように、桃のことを思い出した。
この頬ばかりぷくぷくとした、屁コキ虎め。
くせえんだよ、
髭が汚ェ、
飯ばっかり食いやがって、



しかし笑み崩れた頬と、自分を手加減無しに引きとめようとする腕は悪くないと思っているのだ。
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