忍者ブログ
男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
* admin *
[53]  [54]  [55]  [56]  [57]  [58]  [59]  [60]  [61]  [62]  [63
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

富樫が入院したと聞いて、桃は立った。
向かう先は塾長室である。

「桃、どうすんだ?」
「いや、ちょっと白センランを」





秀麻呂は会話を交わし終えてから、桃の背中を見送りきってからハタとして怒鳴った。

「誰か止めろーッ!!!も、桃白センランじゃ白衣の天使にゃなれねーぞー!!!!」
PR

「富樫、泣いてくれ」
それを口にするには勇気がいった。
語尾が少しばかり震えっちまっているのを桃は自分の声ながら笑う。
「俺のためだけに泣いてくれ」
「桃、おめえどうしちまったんだ?」
「お前があんまり誰にも彼にもお前だからさ」
「あーん?」
「そこがいいのは知ってるぜ、だけどな」


富樫は尚もブツクサ言い続ける桃の胸倉を掴んで顔を近づけると、その鼻に横からかぶりつくようにして軽く噛んだ。
剛な歯茎の持ち主でもある富樫、さすがに力加減は考えていて桃の顔の凹凸をなくすことはしない。

「……これでいいかよ、ンなことすんのァ、てめえ以外にいるかよ」
「…富樫」
「涙なんか、泣こうとしたって泣けるもんじゃあねえや、ナ」

あんちゃんが天国から富樫を見下ろす話。
死人仲間の人と、
「やぁ、弟さんですか」
「ええまぁ、しょうがねぇ奴でしてね」
「元気そうですねぇ」
「そうみてぇで、安心できました」
「さびしくはありませんか」
「その、まぁ、…てめぇでおっぽりだしてナンですがね、…ちっとは」
「それはしようのないことでしょう」
「はは、恥ずかしい話です」
「そんなことはありませんよ」
「兄離れしろと思ってたんですが、いざ離れられたら、離れられねぇのはワシでしたわ」


はは、と源吉は笑った。
天国の空はすみずみまで晴れている。
「邪鬼様が居心地よく暮らせる家を、家賃5万円以外で探すのだ!」



無茶を言うな、とは誰も言わぬ。
三号生は町へ散開。

瞼がそっと持ち上がって、澄んだ黒目がこちらを向いた。
何かしらその唇が動いて呟くのをただ見ている。
唇が、目が、眉が頬が顔が気配が全てが微笑んだ。
桃のその微笑を向けられた自分が、富樫は少しだけ好きになれた。

BACK NEXT
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新CM
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
1010
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
忍者ブログ // [PR]

template ゆきぱんだ  //  Copyright: 男塾練習ノート All Rights Reserved