あんちゃんが天国から富樫を見下ろす話。
死人仲間の人と、
「やぁ、弟さんですか」
「ええまぁ、しょうがねぇ奴でしてね」
「元気そうですねぇ」
「そうみてぇで、安心できました」
「さびしくはありませんか」
「その、まぁ、…てめぇでおっぽりだしてナンですがね、…ちっとは」
「それはしようのないことでしょう」
「はは、恥ずかしい話です」
「そんなことはありませんよ」
「兄離れしろと思ってたんですが、いざ離れられたら、離れられねぇのはワシでしたわ」
はは、と源吉は笑った。
天国の空はすみずみまで晴れている。
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