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男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
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「伊達、俺はお前が好きだ。お前も俺が好きだ。これってすごいことだな」

いきなり現れていきなり桃は言い出した。

「人の気持ち勝手に語るんじゃねえ」

「語るよりも、実践で示して欲しいタイプなんだなお前って」

「帰れ」
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虎丸が丸くなって、髭のまばらな頬っぺたをひくんひくん物欲しげに動かしながら畳に寝ている。
「……どこが虎丸だ、まるっきり猫じゃねぇか」
そう伊達は小さく毒を吐いておいてから虎丸の傍らへ膝をつき、おそるおそる頬に触れる。
「…やぁらけェな…」
緊張感のねぇ野郎だぜ。
「………」



「その時伊達は不埒にも、猫という単語から陰間言葉のネコを連想し劣情を催すのであった――」

「か、勝手に変なナレーション入れるんじゃねぇ桃!!」
たまたま桃の手土産が、折り詰めのシュウマイだった。
富樫は差し出されたその包み紙を受け取りながら、目を細めている。
「どうした?」
「…あんちゃんがな」
「……ああ」
「バイトの給料日には肉屋で買ってきてくれんだよ、6つ」
「ああ」
「三つ三つの半分ずつにして、俺はそれを晩飯に二つ食った。残り一つは醤油かけて置いとくんだよ、明日食うからって。ワクワクしながら眠ってな」
「そうか」
「朝起きて醤油ひたひたのシュウマイ見たら、二つになっとるんじゃ。あんちゃんに聞くと、不思議じゃのうって」
「…………」
「俺ァ馬鹿だから、不思議の一言で片付けっちまってた。それを、思い出したんじゃ」


「……富樫」
「食おうぜ、桃」

桃は笑った富樫の頬に指で触れた。優しく触れた。次いで自分の頬で触れた。腕を伸ばす。肩を掴む。
抱く。
強く抱く。
懸命に抱く。
愛しい。
貴方が帝王で、
貴方が勝者で、
貴方が誰よりも強くて、
だから、
だから、
慕っています。

そうしらけた顔で告げた影慶。

「そうか」

そう普段の顔で告げた邪鬼。


次の瞬間、影慶のしらけた顔にゆがみを伴って生まれたのは熱、生まれたのは懇願、生まれたのは、

「だからどうかこれからも負けないでいてください、俺の帝王」

俺にずっと追いかけさせて、俺の帝王。

「俺は邪鬼だ、今までもそしてこれからも」
覇王である、
帝王である、
力である、
男である、

邪鬼である。

我が君。
俺の我が君。
影慶は震える声でそう呼んだ。
おかしな日本語だと邪鬼が笑った。
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