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男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
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太い唇に笑みをのせた富樫が、まっすぐに前を見据えた。
唇は赤い。
まさか紅の赤ではない、富樫の唇は当然のように血に濡れている。
その生き生きとした赤に、桃は自らの唇を舐める。
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ちょっとした引越しの手伝いに、桃と伊達がかり出された。
二人おそろいのツナギを着こんでえっちらおっちら、タンスやら鏡台やらをせっせと運び出していく。
と、タンスをせえので持ち上げた後の畳の青さを見て、なにやら桃が考え込んでいる様子。
「おい、早くしろ」
中腰でタンスを持ち上げ続けるのはしんどい、たとえ伊達であってもである。伊達は鋭い声を出した。
「いや、何かに…」
「おい」
桃はその畳の青さに何かを思い出しているようであった。

「後にしやがれ、桃!」
「ああ思い出した」

しんどい体勢だろうに桃の声に乱れは無い。伊達はさっさと立てとタンス越しに声を荒げた。
「何がだ!」
「富樫の髪の毛、あの後ろっ毛を掴むだろう。そうすると富樫はなんじゃい桃ォとこうだ、その髪の毛をふさりと持ち上げるとなんとなくその肌は明るく白い」


それを思い出した――
そう言い切った桃に伊達は無言になった。

「人並みに扱えって、誰が頼んだ」


伊達は目にぎらぎらと刃を抜いて、卍丸へ迫った。卍丸は一瞬あっけにとられたようだったが、すぐに笑う。

「…付き合ってやるよ」
桃は手近な泥をその手にむっくりと掴んだ。
水気の多い泥である、桃の指からすりぬけて、
ぼだ、
ぼだ、
だだ、
ぼ、
と滴る。

に、と桃が笑った。よくない笑みである。
伊達は笑わない、笑えない。泥の上に背中をどんと引き倒されている。
腹の上にどっかりと桃が腰を下ろしているその状況で笑えないでいた。

「おまえは、きれいだ」

桃は言うなり伊達の裸の胸へと泥をなすりつける。
冷たい泥に伊達の胸がギュウと凍る。だがそれ以上に熱い桃の指に喉が震えた。
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