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伊達はよく、水面を歩く桃の夢を見た。
伊達はそれを誰にも言っていない。頬がむずむずする。


自分は泥沼中でただ立っている。泥といっても汚泥で、異臭をはなっている。
腰の辺りまでつかって、身体を冷やしているのだ。
その泥の中に突っ込んだ足はなにか草の根なのか、それとも泥なのか、ともかくつかまって身動きができない。
本気の抵抗を試みれば泥の水面がかすかにゆれる。

遠くから桃が歩いてくるのだ。ひたりひたりと桃が歩くたびに、汚泥がすんだ水へと変じていく。
すべての泥を夢のように美しい泉へ変えながら、桃が伊達の前へと立った。
泥に沈んでいた伊達を、桃は水面に立って見下ろしている。

何も言わない。
伊達も何も言わない。そのうちになにかあまい素直な気持ちが伊達の胸にさっと生じて、桃へと手を伸ばす。
すると桃はその手に、一輪の蓮を握らせるのだ。

目覚めると昨日まで煙草臭かった部屋の空気が澄み切っていて、残り香のような神聖さがただあった。
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