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男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
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桃が音痴だとすごく萌える。
完璧にみえる桃がなにか壊滅的に欠けていたらすごく親しみがわくと思います。
音痴、
味音痴、
方向音痴、

伊達は受話器を受け取るなり、
「どこをほっつき歩いてやがる」
普段の余裕もかなぐり捨てて噛み付いた。
「参ったぜ、どこがどこやらわかりゃしねぇ」
「てめぇは地図も読めねぇのか」
「読んださ」
「……今人をやる、動くな」
「猫でもいりゃ、聞けるんだがなぁ」
「………いいから、動くな」
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虎丸は金をうなるほど手に入れても、大きくきれいに使う

桃は貯蓄しながらも大胆に使う

富樫はみみっちいわりに無駄遣いしてたまらない、でもあんちゃん貯金はしたいとは思っている
伊達はよく、水面を歩く桃の夢を見た。
伊達はそれを誰にも言っていない。頬がむずむずする。


自分は泥沼中でただ立っている。泥といっても汚泥で、異臭をはなっている。
腰の辺りまでつかって、身体を冷やしているのだ。
その泥の中に突っ込んだ足はなにか草の根なのか、それとも泥なのか、ともかくつかまって身動きができない。
本気の抵抗を試みれば泥の水面がかすかにゆれる。

遠くから桃が歩いてくるのだ。ひたりひたりと桃が歩くたびに、汚泥がすんだ水へと変じていく。
すべての泥を夢のように美しい泉へ変えながら、桃が伊達の前へと立った。
泥に沈んでいた伊達を、桃は水面に立って見下ろしている。

何も言わない。
伊達も何も言わない。そのうちになにかあまい素直な気持ちが伊達の胸にさっと生じて、桃へと手を伸ばす。
すると桃はその手に、一輪の蓮を握らせるのだ。

目覚めると昨日まで煙草臭かった部屋の空気が澄み切っていて、残り香のような神聖さがただあった。
邪鬼が見合いをすることになった。
当然のように相手は日本有数の良家の子女で、気立てのやさしい美しい女だった。
元三号生の誰もが当然のようにハンケチをかみ締めたあと、
「おい、影慶がいないぞ」
恐ろしい事に気がついた。
影慶、
邪鬼の腹心にして同志。
もっとも邪鬼に近しくて、もっとも邪鬼に心酔している。
神に接するようにというにはなまなましい想いはダダ漏れである。

「影慶、気を落とすな」
羅刹が気遣ってそう言うと、いつもより目陰くろぐろたるまぶたを弾いて、
「いいのだ、俺は一生日陰の身でも」
などと健気な事を言う。羅刹は思わずぐっとなった。
「あまりそういうことを言うな」
「……いいのだ、俺は子も生めん、どこの馬の骨ともわからぬ」
「影慶」
「妾でもいい、お側に居られれば」
「影慶、」
羅刹は胸が熱くなるようだった。




もちろんと言うと羅刹には気の毒だが、もちろん邪鬼と影慶の間にそうした付き合いは無い。
ただ時折邪鬼の指から蜂蜜をなめとったり、足の甲へ額をつけたり、それだけである。
「あいつたぶんさ、」
卍丸が言った。
「たぶん、『日陰の身』とか、『妾』とか、ああいうシチュエーション大好きなんだろ」
「陶酔型だな」
「ああ」


「一生表立ってあの方のお側には侍れぬわが身、それでも恨みはいたしますまい…ああ…!!」
影慶は身悶えせんばかりに身体をよじりながら、一際高い声を上げた。
「邪鬼様、休憩しましょう」
影慶が盆に湯のみと菓子をのせてやってくるのはちょうど三時。
邪鬼が顔を上げた、
「今日の菓子はなんだ」
「豆大福です」

ただ黒漆に濡れた静かな皿の上に、豆大福が素朴に山と積みあがっていた。
分厚い白い皮に、豆がうすく透けて影色がところどころ。打ち粉がぜんたいにきしきし言うほどふってある。
邪鬼のためにこしらえたのだろう、どれもサイズが大人の握りこぶしのようだった。
「うむ」
邪鬼は影慶の持ってきた手拭で手を清めると山の頂上を掴んだ。
打ち粉が唇の周りを汚すのもかまわず、わし、とほお張る。
行儀の悪さがなぜか高貴に見えるのだから邪鬼という男は底が知れない。
「うむ」
あまさ、塩加減、皮の弾力、どれも申し分ない。
そう言うと、ほっとしたように扉の向こうで羅刹が息をついた。
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