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意識の水底で、富樫はたゆたっていた。 ひたひたとなめらかな水は富樫の耳をふさぎ、視界をゆがませる。 何も聞こえない。 何も見えない。 が、 遠くからその水が揺らされた。魚の水槽を叩いたような。 どおん。 どおん、 どおおん、 (……桃?) 音が水を揺らし、富樫は意識を揺らした。 誰かが歌っている。 既に水は引いた。