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男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
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「お前は俺が死んだら泣くか?」



そんな優しい顔で、酷い事を桃は聞いた。



富樫は絶対に首を横に振る。その焦げつくような強がりと男気を桃は望む。



時折そんな、心をかきむしるような言葉を富樫にぶつけてみる。

ぶつけたのは桃自身に対してかもしれない。

富樫は少し考えてから、学帽のツバで目を隠しながら答えた。

「ああ……泣くぜ。きっと泣く」



桃は富樫を抱き締める。

無性に声を上げて泣きたい気分だと、鼻にかかる声をもらした。
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桃のまぶたにかげりがちらついたのを富樫は見逃した。
桃の頬にかすかな震えがあったのを富樫は見逃した。
桃の唇がほんのわずか歪んだのを富樫は見逃した。
全てを富樫は見逃した。

「お前はもっと、お前の周りを考えるといい」
―どれだけお前の周りが、お前を思っているかを。
思えば声も寂びていた。
富樫はそれすら聞き逃す。

桃がなんだってそんなことを言い出したのか富樫はさっぱりわからない。
桃も桃で、富樫が全てを理解するとは思っていない。

思っていないからといって諦めるわけでもなかった。
うるうると艶を持つ桜色の髪の毛、ひとふさつまみ上げたそれで持って富樫の首筋をくすぐる。
「うぉ、驚いたぜ」

首を手で押さえながらそんなことを言う間抜け。男は常に胸のうちに何か含みを持たせるのが良いとばかり、飛燕は思っていたので面食らう。
桃を思えば胸が鳴る。
甘えた犬の鼻の如くに鳴る。
腹立たしい。
忌々しい。
伊達は苛立つ。



こんなにもあの男が好きで、報われたいとつゆほどにも思わないほどに好きな自分が嫌いではない、


それが嫌だ。
傷が笑う。
傷を辿っても痛みはない。
顔をくっきり渡るその傷は富樫にとって大切なものだ。

「痛くねぇよ」

痛めばいいとすら思う。
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