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男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
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邪鬼の存在感たるや、太陽のようだと影慶は思っていた。
邪鬼がいなくては夜も明けない、半ば本気で思っている節もある。そうまで思いつめる影慶を羅刹などはあやうく思っているが、卍丸はむしろ好ましく感じていた。

その邪鬼、大豪院邪鬼、どこからどうみてもはかなさなどない、立派に燃え上がる存在感の男は不意に翳る。
太陽が翳るように、透けるように消えそうな時がある。
事実あっけないほどに衆目の前で自害をしてみせて、邪鬼という太陽は隠れてしまった。

「あの方がいなくなられては俺はどうしたらいいのだ」
弱音を吐いた影慶にセンクウはブロンドの睫をはばたかせ、
事も無げに言って見せた。
「太陽なのだ、日食で消える事もあろうよ」

だがそれがたったの一日二日の話ではない。
影慶は植物のように細っていった。
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太陽が似合う傷面の学帽野郎に恋をした。
汗くさくてやかましくてがさつで、
弱くて、
なのにとんでもなく強い。

「富樫、お前が好きだ」
「いきなりなんじゃ、飛燕」

「犬とて毎日しつければ主人を覚える。お前にわからせてやろうと思って」



「想いはわからせるものではなく、伝えるものでござるよ」
「そうだな、雷電の言う通りだ」
「おお、わかってくれるかJ」
「わかるとも、スポーツマンシップだ」
飛燕の指はそれはそれは美しい。
もちろん華奢な手首から、手全体の骨格まで計算しつくされた作り物のように繊細に仕上がっていて美しいのだが、さらに輪をかけて指が美しい。
その指で命を救い、また奪う。
日本人のカラオケ好きは情報として知ってはいたものの、Jはその熱気にただただ気圧されていた。
狭くて空気の悪いカラオケボックスの中では男達が熱心に歌本のページをめくり、入力し、音程の調整をたくみに行っている。

「Jよ、何歌うんじゃ」
松尾がにこにこ尋ねてきた。
「お、オレは遠慮しておく」



そんなこと許されるわけもないのだ。
羅刹は痛みを愛している。
痛みは羅刹の友でも敵でもあった。

危険を知らせ、命のふるえの声を羅刹に教える友である。
痛みがあればこそ生きてもいるし、
痛みがわかればこそ正気である、
羅刹は痛みを愛している。
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