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男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
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邪鬼が眼を伏せている様は、たいへんに静かだ。

鏡水面のように、心地よい緊張感に満ちた静寂をまとっている。

その領域に影慶は存在を許されていた。
異物ではなく、空間の一部に溶け込んでいる。

果てぬ静けさに、影慶はただ睫毛を震わせた。
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ある高官の家に招かれた邪鬼は、5段にもなる雛飾りに眼を留めた。

「娘がおりますので」
高官は急に父親の顔をして、白髪頭をかいてみせた。邪鬼は漠然と、雛人形の面差しが母に似ていると思い、白い額をただ眺め続けた。
伊達としたら、優しくしたいのだ。
テレビで見るように、とは言わないものの、
髪を撫で、けして引っ張ったりはせず、
小さな声でも聞こえるよう顔を近付け、
他愛ない事に笑いたい。

「……なあ、俺に優しくさせろよ」

だのに羅刹ときたら、伊達に対してよせだのこれはしてはならぬだの面白くない事ばかり言うものだから。

伊達はこんなにも優しい男だが、気長な男では無かった。
卍丸はモヒカン頭をかきむしった。

「やっちまった」

あまりにも暑かった、
虎丸が覆いのない扇風機にアイスの棒を突っ込んで壊したせいだ。

暑い暑いと虎丸がうるさいからだと無理な説明をつける。


蝉の声が暴力的に卍丸の耳をふさぐからだ。


裸のまま転がる虎丸を、なんといってなだめるか。

結構にむちゃくちゃをやらかした。自覚はあった。
卍丸は近所の肉屋に行くしかあるまいと、薄い財布を思ってため息をつく。
春が来たら、迎えに行く。


「来ねぇ」

伊達はつぶやいた。
桃が逝き一年にもなる。
いつくるかいつくるか

「待ちわびているようだ」
誰かが言う。
「……あいつは昔から俺を焦らすのが好きだった」
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