忍者ブログ
男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
* admin *
[4]  [5]  [6]  [7]  [8]  [9]  [10]  [11]  [12]  [13]  [14
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

伊達は鎧兜を部下に用意させた。
おぼつかない手付きで伊達へその鎧兜を装着させていく、なれないせいか三度やりなおした。
(仏頂面め、部下のしつけぐらいしておけ)
軟弱にも伊達組家事取締役筆頭仏頂面は数年前に他界していた。
他界して初めて伊達は仏頂面が自分よりも年下だった事を知る。そうした付き合い方をしていた。

鎧兜と、それから学ラン、どちらにしようか迷った。
が、先日桃がフラリと現れて、

「俺はあの真っ白い学ランだから、すぐにわかるだろうぜ」

そう告げた。初めてまみえたあの時を再現するのなら、やはり鎧兜。
伊達は背筋を正して座した。

「俺は死ぬ。後は書き置いた通りにしろ、くれぐれも派手な葬式は無用だ」




涅槃で、桃がまどろんでいる。それがもう間近に風景を透かして見える。
自分はこれからあそこへ行くのだ、行って、待ちわびているだろう桃を起こしてやらねばならない。

部下は見た、息を引き取る寸前の伊達はハッとするほど若若しく激烈な気を、世の中に刻み付けるようにして放ったのを。


部下は見た。
鎧飾りを鳴らしながら駆けていく男を。
PR
冬でもかまわず水をザンブと頭にかぶって、それから太い指でチョイチョイと直す。
後ろ髪はワッサリと結わいて、終わり。
「セット、完了!」
虎丸がニッと伊達へ歯を見せて笑った。
「何が完了だよ、後ろボサボサじゃねぇか」
「ホイ」

虎丸がブラシを伊達へと渡した。一瞬つき返すことを忘れてしまい、
「動くんじゃねえぞ」

モサモサの頭を伊達はブラッシングしてやった。
なぜだか心が癒された。



「ああいうのをアニマルセラピーって言うんだぜ、富樫」
「ほーん、桃、おめぇは本当に博識じゃのお」
酷く傷ついた富樫の顔を、桃は知っている。
眉を僅かに寄せて目を伏せ、辛さと痛みが伺える顔。
その顔にはほんのかすかな笑みがある、
自嘲の笑みである、

「あぁ、やっぱり」

虐げられ、疎んじられ続けた彼の悲しみはいつしか諦めに歪む。



桃はやりきれない、無言で富樫を抱いてやりたいと思いながらも歯噛みするばかり。

桃の労りは、今の富樫には受け止めきれない。
憐れみと取るか、
馬鹿にされたかと取るか、

「諦めるんじゃねぇ、富樫。大丈夫だ、大丈夫だとも、富樫、お前なら、だから」

諦めないで、
いつでも、俺だけはそばにいるから。
そんなに気になるのなら魂呼ばいをしようかと聞いたら、酷く泣きそうな顔で要らぬと男は言った。
「呼んだって、あいつは来やしないさ」

来て欲しくないのだろうと言うと、男は黙ってうんと小さく頷く。
BACK HOME NEXT
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新CM
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
1010
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
忍者ブログ // [PR]

template ゆきぱんだ  //  Copyright: 男塾練習ノート All Rights Reserved