分厚い木綿のシーツを乱暴に洗って脱水し、風に晒したらこうなるだろう。
がさがさとした肌触りのシーツに伊達は上半身を裸に、うつ伏せて頬杖をついた。
桃がベッドに腰を下ろす。伊達の髪の毛に桃は指を触れさせて、梳く。
「やわらかいな、もっと――」
硬いかと思っていた、伊達の短い髪の毛。
「シャワー浴びて濡れたからだ。おい、よさねぇかくすぐってぇ」
髪の毛だけではなく耳にまで伸びた指を咎めた。咎められても桃は伊達に触れるのを止さない。
タオルで腰を被っただけの桃は腰を下ろしたベッドのシーツが気になった。寝太郎のくせにシーツにはうるさい事を言う男である。
「シーツがガサガサだ。伊達、お前は気にならねぇか」
「別に、ベッドの上で用意万端ヤられるだけ贅沢だと思うぜ」
帰ってきた言葉の鋭さ、暗さ、
眼差しを揺るがせて桃はじっと伊達を見下ろす。
ちらりと伊達が唇を舌で舐めた。男の舌である、なのにどうにも赤くうつるのは、桃の目だからだろうか。
「想像したかよ、桃」
にんまりと伊達が笑う。桃が呆れたように肩をすくめた。
「お前という奴は。そんなに俺を悲しませてぇのか」
「こういうのはスパイスって奴が肝心だ、そうだろう?」
桃は伊達の髪の毛を握りこんだ。
顔同士が近づいていく、揃って獣の気を吐いた。
がさがさとした肌触りのシーツに伊達は上半身を裸に、うつ伏せて頬杖をついた。
桃がベッドに腰を下ろす。伊達の髪の毛に桃は指を触れさせて、梳く。
「やわらかいな、もっと――」
硬いかと思っていた、伊達の短い髪の毛。
「シャワー浴びて濡れたからだ。おい、よさねぇかくすぐってぇ」
髪の毛だけではなく耳にまで伸びた指を咎めた。咎められても桃は伊達に触れるのを止さない。
タオルで腰を被っただけの桃は腰を下ろしたベッドのシーツが気になった。寝太郎のくせにシーツにはうるさい事を言う男である。
「シーツがガサガサだ。伊達、お前は気にならねぇか」
「別に、ベッドの上で用意万端ヤられるだけ贅沢だと思うぜ」
帰ってきた言葉の鋭さ、暗さ、
眼差しを揺るがせて桃はじっと伊達を見下ろす。
ちらりと伊達が唇を舌で舐めた。男の舌である、なのにどうにも赤くうつるのは、桃の目だからだろうか。
「想像したかよ、桃」
にんまりと伊達が笑う。桃が呆れたように肩をすくめた。
「お前という奴は。そんなに俺を悲しませてぇのか」
「こういうのはスパイスって奴が肝心だ、そうだろう?」
桃は伊達の髪の毛を握りこんだ。
顔同士が近づいていく、揃って獣の気を吐いた。