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男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
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人から親切にされた富樫を見るのは、桃に少し辛い。

手放しで喜んで浮かれて、

そして突き放される富樫。
その時の富樫の顔は、
(ああやっぱり)
(忘れていた、そうだったじゃねぇか)
どこか諦めたような、そんな顔をしている。
たまらない。
富樫を罵りたかった。
そんな、
わかっているのなら、
それなら、もっと疑って、恐る恐る探り探りその親切を確かめればいいのに。


それでも地球が動くように、今日も富樫は手酷く突き放され、
また諦めたような顔をしている。
臆病で目先のものに飛び付いてこそ富樫、飛び付かない慎重な富樫なぞ富樫ではない。
桃にはわかっていた。


富樫、
富樫、
どうか俺を信じていてくれ。俺だけとは言いやしないから。
絶対にお前を傷つけたりは、裏切ったり消えたりはしないから。

「嘘ォつけや、てめぇって野郎は調子がいいんじゃ」


そんなところばっかり疑う富樫に、桃はそれでも笑う。
富樫。
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邪鬼様母ネタのため続きへ
飛燕はするすると指どおりのいい自らの髪へ櫛を通していた。
その様子を富樫は後ろからぼんやりと見ている。

天使の輪、艶が均一に輪を作ってうつくしく輝いている。

きれいだ、呟くと、

「ようやく言ったか。遅いんだお前は」
咎めるように飛燕は目を細めて笑った。
死体を愛した。
正確には、生前の彼を愛した。
「富樫、……富樫」

今度こそ、彼は渡しの舟に乗ったろうか。
「……お前は酷い、」
櫻髪を揺らし、飛燕は笑った。泣き笑いである。
「お前は私に、お前の思い出のみで生きよと言うのか」


そのうちこの死体も腐る。
薬指の爪が腐ったら、飛燕は死を認めようと思った。
伊達は蓮のような男だと評したは桃である。
寒さ暑さ、幾千幾億もの年月を堪え忍び、
汚泥に沈み、

そうして長き忍従を経て、彼は泥より出でて花開いた。

その花は神仏に愛でられ、芳しい香りを放つ。あの花弁とも言うべき一つ一つの所作からは無駄が消えて贅が削げ、

けれど、
けれど彼は今も泥に住まう。



そしてとうとう汚泥へ自らざぶざぶと構わずにわけいった、桃と出会う。
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