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男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
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オッどうしたんだよ虎丸、何の騒ぎだよ?
え、何?ケンカ?弱ったなオレ、ケンカは苦手なんだよなー…
ってオイ!ケンカしてるのって桃と富樫じゃないか!
何ボヤッとしてんだよ!止めなきゃ!

…え?
原因?何?

え、え?
富樫が唇とんがらしてたところへ、桃がチュッと?

…はあ、そぉ。


…仲裁?
知るか。ほっとけ。
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「桃、目を…閉じてくれや」
「!……フフッ」
どきん
どきん
どきん
どきん

ヘヘへッ
ヘヘへへッ
「………」
「もーもっ!キスしよ!なぁん…」

なぁんて、いいかけた富樫は固まる。
何がなんだかわからない様子で、桃は子供のように頼りなげな瞬きを繰り返していた。

そうしてようやく自分がからかわれたらしいことに気付いたようで、
「………そうか、からわれちまったのか……」
切なそうに、
寂しそうに、
悲しそうに、
目をそっと伏せて微笑んだ。
「も、桃!」
沸き上がる罪悪感に、富樫は慌てて声を上げた。
「いいんだ、……フフッ、俺がお前に?フフッ……」
「す、すまねぇ、桃!」
「………」
「……今度は、目を閉じなくていいからよう」
「ああ」









ちゅー
「見習いさん、ちょっと組長の部屋の床の間に飾る花を買ってきてください」
「はーい、フラチューいってきまーす」
今日も暑い。




「くーださーいな!」
坊主頭に眼帯の、人相の悪い男が愛想のカケラも無い顔でのそのそと出てくる。
「うちは駄菓子屋じゃねえぞ、見習い」
「えーと、と、トコヤに飾る花ください」
「トコヤ?…総長は理髪産業にも手を出したのか?」
「わっかんね!」
「ガキの使いじゃねえんだぞゴラ」
「親分に飾る…んじゃなかったっけかなー」
「総長に!!?」


このとき、フラチューこと、フラワーショップ忠義店主森田大器(フラワーアレンジメント免許取得、表千家いけばな師範代)は、
芸術的にひねりをくわえたポーズを取り、イチヂクの葉で股間を隠したのみの全裸の伊達組組長伊達臣人に、どう花を飾りつけるのか想像したのはナイショである。



そうして結果としてフラチューこと、フラワーショップ忠義店主森田大器(フラワーアレンジメント免許取得、表千家いけばな師範代)は情熱的に、滴るほどに真っ赤なバラでもって豪勢な花束をこしらえて見習いに渡した。
「ありがとうございます」
「おう、ホトケさんにもよろしくな」
「(ホトケ…仏頂面さんかあ…)はーい」




「どこの世界に、床の間にバラ活ける奴がいるってんだ!」

びゅん!
見習いの鼻先に、バラが一輪飛んできた。頭を抱えて見習い、尻尾を股に挟んだ犬の如くに震え上がる。
震え上がってちぢこまっていればいいのに、どうしてか余計な事を言ってしまう。
「で、でも口にくわえて、オーレィ!ってやっても格好いいですよ!」
「どこの世界にバラくわえて踊る組長がいるってんだ!」
ますます怒られた。


「アンタ、伊達組さんになんの花渡したの?」
「おう、総長は男の中の男…ソノ上伊達男でいらっしゃる。伊達男ときたらバラ、それも真っ赤だ」
「アラヤダこの時期あつっくるしい」
「てめぇなら何差し上げるってんだよ、女女しい花なんか差し上げられっか」
「あたしなら?そうねぇ…」
「ところで、保護者会どうだったんだよ」
「ああ、そうそう…」
「アバンチュールがしたかったんだろ?」
「………おう」
富樫は小さく頷いた。
「アバンチュールってのは英語で言うアドベンチャーで」
「へぇ」








富樫は今まさに断崖絶壁にある。
一応アドベンチャーであった。
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