二人が並んだ後姿を見て、富樫は思わず噴出した。隣の桃がなんだと問う、富樫は二人を指差した。
「ヘッヘヘ見ろや桃、」
富樫が言いたいのは二人の腰の位置のことである。
虎丸が猫背気味で蟹股、のっしのっしと歩いているせいもあるが二人の腰の位置はだいぶ違いがあった。
「なんだ?」
桃はまったく気づかない。富樫はヘッヘヘと意地の悪い笑みで桃の背中をたたく。
富樫は気づいていない。
背後で秀麻呂が、
「な、Jよ。富樫の脚、短いと思わねぇか」
とJの肩へ軽く爪先立って話しかけているとは。
「……ああ、いや、その」
「短ぇよなぁ、きっとサッカーむいてるぜ」