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男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
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「一度でいいから、キスマークをつけたいんだ」
朝食時に何を言い出すのだこの男は。富樫はよそいかけていた桃のドンブリから飯をこそぎおとす。
「なんだ、少なくするなよ。お前の飯はうまいんだから」
「朝からボケてんじゃねえ」

舌打ちしながら富樫がドンブリを差し出した。と、その手首を桃がつかみ、ひきよせ、
ちょうど脈がこんこんと打つ手首へ吸い付いた。

チュウ、
鼠鳴きひとつ。ドンブリが桃の手に渡った時には、既に富樫の内手首にはうっすらと赤く痕がついている。

「あんがい綺麗についたな」
桃は嬉しい。
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桃さんはわたしに、
「内緒だけどな、昔俺はお前のじいさんの大事な人になりたかったのさ」
そう言った。
「じいちゃんは桃さんのこと、大事だと思うな」
桃さんは嬉しそうにわたしの頭を撫でる、
「ありがとうな」
「うん、じいちゃんは桃さんも、虎じいさんも、おみとさんも、それから赤石のおじさんも大事だよ」

桃さんは顔を少し曇らせた。
わたしは急に気持ちが沈んだ。
つまみの裂けるチーズを指にぶら下げ、桃は何気なく言った。
「そうだ、伊達もこうして裂けたら増えるのに」
「増やすな」
「子供時代と、親分時代と、チンピラ時代と、もちろん塾生時代も」
「増やすな」
「揃って桃って呼ばれたら嬉しいんだが」
「増やすな」
「伊達、俺はお前のコオロギだな」
「藪から棒になんだ、桃」

うん、桃は笑って目を細めた。気の早い虫が窓の外に鳴いている。
「コオロギは交尾の後、オスは産卵のためにメスに食われちまうのさ…あんなに言葉を尽くして歌声を上げて気を惹いて…最後は食われて死ぬなんてな」
「何が言いてぇ」
「丈夫な子を産んでくれ、俺の命をしっかり使ってくれ」
「馬鹿野郎」
「邪鬼様、俺は貴方以外の誰もに許可なんか求めてはいません。……顧みなくとも結構です、愛人にして下さい」




貴方の愛を、この身に注いで下さい。
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