忍者ブログ
男塾の描写練習をしていきます。 ツッコミ歓迎コメント歓迎
* admin *
[8]  [9]  [10]  [11]  [12]  [13]  [14]  [15]  [16]  [17
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「毎日味噌汁も作るし、お前のワイシャツにアイロンもかけるし、ゴミはごみの日に出すし、疲れたら肩を揉んでやるよ、富樫」

「おう、悪ィな桃。いいのか?」

「もちろんさ」



「富樫…テメェは見えないマリッジリングに指を突っ込んだんだぜ…」
「伊達ぇ、わしのエロ本どこかのう」
「戸棚上だ、馬鹿」
PR
影慶が陰鬱に笑った、こうした笑みを見せる時、彼が不安定なのを邪鬼は知っている。

「邪鬼様ご覧下さい…肉が腐って、堪らない臭いでしょう」

笑いながら包帯を解いた毒手を見せつける、月明かりにもぬらぬらと、それは紫に変色していた。

「大事ないのか」
「ふ…邪鬼様のお役に立てぬようなら切り落とします、ご安心下さい」
「……そうか」
その物言いが少し、悲しみに苦いものだと影慶は気付いただろうか。


腐臭が強まった、邪鬼のすぐ傍で影慶は笑う。

「林檎は、地面に落ちる寸前が一番美味いそうですね……腐りかけが、」


影慶の舌が、邪鬼の指を這う、舐め上る。


「どうですか邪鬼様、試してみませんか」
「富樫の奴、桃に英語教わるんだと」
「へぇ、どんな感じかな」
「何でもABCから始めてるらしいぜ」
「へぇえ」







「富樫の奴、桃のレッスン止めたらしいぜ」
「へぇ、どうして」
「エフだの、ヴィだのの発音で唇噛む度にこう、チュッと」
「へぇえ、チュッと」
「富樫が悪いよなぁ」
「富樫が悪いねぇ」







「そんな顔する、お前が悪いぜ」
わが君、
わが君、

「ならば貴様は、俺の貴様か」

そうですよ、と俺がそう言ったら。

「ならばこの邪鬼、死すればこの体貴様にくれよう。さすれば俺も、貴様の邪鬼となろう」

そう胸を、心臓のあたりを押さえてそう言った。
ああ、ああ、なんという。
俺の目にあるのは涙だ。
歓喜の涙だ。


しかし俺は知っている。
俺が彼より、
俺の帝王より、
俺のわが君よりも後に死ぬ事は、無い。
決して、何があろうとも。


彼はそれをわかっておいてそう言った。彼なりの冗談だ。
しかしそんな冗談でさえ、俺を震えるほど喜ばせる。そこまではわかっていない、俺のいとしい帝王だ。
「伊ー達」

桃は手をわきわきさせながら伊達へと走ってくる。
すぐさま伊達は身体を反転、後ろを振り返りもせず走って逃げていく。

「待てよ伊達」
「待たない」
「泣くまでくすぐってやるからさ」



なおさら待つ訳にはいかなくなった。
「お前の笑顔が見たい」
「取ってつけたように言うな!」
BACK HOME NEXT
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新CM
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
1010
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
忍者ブログ // [PR]

template ゆきぱんだ  //  Copyright: 男塾練習ノート All Rights Reserved